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季題・季語に沿った俳句、川柳、短歌、和歌、手紙

長生きの朧の中の眼玉かな 金子兜太

 今回の季語は「おぼろ」


 朧 はっきりしない様を言います。

 ぼんやりと見えている感じです。

 月と組み合わせて、朧月とか、朧月夜という言い方を良くします。

 英語で書くと a misty moonlit night.


 この時期、低気圧が次々と日本を西から東へ通過し、晴天が続かず

 弱い日差しの日が多くなります。

 これが昼間なら「花曇り」、夜であれば「朧月夜」と呼ばれます。

 いずれも春をあらわす季語・季題です。

 朦朧(もうろう)という言葉もありますね。

 意識障害の時によく使いますが、これもぼんやりしていると云う意味です。


 朧というと青江三奈の恍惚のブルースを思い出してしまいます。

 ♪女の命は 恋だから 恋におぼれて流されて
 死ぬほどたのしい夢をみた あとはおぼろ あとはおぼろ
 ああ 今宵またしのびよる 恍惚のブルースよ

 恍惚というといつからか、「ボケ始めた人」を指すようになりましたが

 本来の意味は「心を奪われてうっとりするさま」を言います。

 青江三奈の歌は恍惚をどっちで解釈しても、意味は通じるような気が

 します。


 豚や鶏の挽肉、魚肉やエビをゆでてほぐしたものを「そぼろ」と言いますが

 そぼろは「粗おぼろ」を短縮した言い方です。

 従ってそぼろをより細かくほぐしたものも「おぼろ」とも言います。

 具体例としては田麩(でんぶ)です。

 サクラデンブとか鯛デンブと呼ぶアレです。

 日本では魚を原料にしてご飯やちらし寿司にかけますが、中国では豚肉で

 作りお粥に乗せます。



  長生きの朧の中の眼玉かな      金子兜太
                               
              http://feels-season.com/sakusha.html

 (金子兜太:1919年、秩父生まれ。加藤楸邨に師事。俳句結社「海程」主宰
  現代俳句協会名誉会長)

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