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季題・季語に沿った俳句、川柳、短歌、和歌、手紙

囀を身にふりかぶる盲かな 阿波野青畝

 サエズリ。カタカナで書いてしまうと鯨の舌だと勘違いしてしまわれる方も

 いるかも知れません。

 最近ではクジラを食べなくなったから、勘違いする人はいないかな。

 かなり美味しい部位です。

 おでんに時々入ってますね。


 囀と漢字で書くと鳥が春になって求愛の為に鳴くことを指します。

 「囀」と一文字で書くと名詞、「囀り」と送り仮名を振ると動詞という決まりが

 俳句の世界ではあるようです。


 囀には二種類あります。

 一つは他の雄に対して自分の縄張りを宣言するもの。テリトリーソング

 もう一つは雌を呼び寄せるものです。コートシップソング

 テリトリーソングは単調な歌を大声で鳴きます。

 コートシップソングは複雑な歌を小声で美しく歌います。

 このメロディーは親を含め他の鳥が囀るのを聞いて覚えるそうです。

 そう、囀というのは学習なんですね。

 小さい時に隔離した鳴禽類は囀ができません。

 囀をする鳴禽類と囀をしない他の鳥類とは脳の構造も違うと云う事が判っています。


 囀は出来るだけ広い範囲に聞こえるようにと梢の高いところで行われますが

 草原に棲むヒバリなどは止まる場所がないため空中で鳴きます。


 人間は鳥の囀を人の言葉に置き換えて覚えます。

 たとえばウグイスの「法法華経」、ホオジロの「一筆啓上仕り候」、

 センダイムシクイの「鶴千代君ぃー」などで、これを「聞きなし」と言います。


 一方、求愛とは別に情報伝達の為に鳴くのを「地鳴き」と言って、これは季節に

 関係なく、いつでも行われています。

 仲間に危険を知らせる警戒音はスズメが発しても、他の鳥も逃げるようです。

 鳥もその音の調子で意味を持たせているんですね。

 結構賢いものです。




  囀を身にふりかぶる盲かな     阿波野青畝
                         
              http://feels-season.com/sakusha.html

 (阿波野青畝:四Sの一人。かつらぎ主宰。少年期から耳が遠く進学を断念。
 「耳の遠い児であるといふことが、勢い、君を駆って叙情詩人たらしめた」と
  虚子に言わせています)

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