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棕櫚咲きて夕雲星をはるかにす 飯田蛇笏

1534e539.jpg 棕櫚の花 ご覧になったことはありますか?

 黄白色の房状の花です。

 ちょっと花には見えませんね。

 花粉症の人には恐ろしい杉の花を連想してしまうかもしれません。


 棕櫚と言うと南国を連想される方が多いと思いますが、その通り原産地は

宮崎です。

 (ワジュロ。中国原産のものはトウジュロという)

 鳥によって運ばれたらしく、和歌山県に多く生えていますが、耐寒性もあるので

 東北地方でも見ることが出来ます。


 花言葉は「勝利」

 イエス・キリストがローマ軍に捕らえられ、エルサレムに送られた時、群衆は

 無抵抗で死んでいくイエスこそ真の勝利者だと言って棕櫚の枝をイエスが

 連行されていく道に投げ入れた という話がきっかけになっています。

 こちらの話に出てくる棕櫚はpalmのことでナツメヤシを指しますが、民間では

 どちらも棕櫚と呼ばれています。


 和歌山の旧称、紀伊では古くから棕櫚の皮を用いた産業が盛んで、

 その腐りにくい性質を利用してタワシ(束子)やホウキ(箒)として

船で江戸に送られていました。

 紀州の名産はミカンや梅干しだけではなかったのです。

 しかし明治の終わりごろから材料が需要に追いつかなくなり、東南アジアから

 palmの皮が輸入されるようになると、安価なpalmに駆逐されて棕櫚の栽培は

 減っていきました。

 現代はスポンジや電気掃除機と云ったものの普及で棕櫚のタワシやホウキは

 滅多に見ることはできなくなっていますが、観賞用植物としては

依然人気があります。

 また生育にも手間が掛からず、防潮林などにも利用されています。






  棕櫚咲きて夕雲星をはるかにす    飯田蛇笏
                         
              http://feels-season.com/sakusha.html

 (飯田蛇笏:山梨出身で俳句が盛んな土地柄から幼少時より俳句に親しみ、
  ホトトギスに投句した。句風は孤高であり重厚かつ剛直と言われている。
  1967年に角川書店が「蛇笏賞」を創設。毎年6月優れた句集に授与している)